「車椅子の押し方のコツ?ただ押せばいいだけじゃないの?」
そんな風に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際、私は介護職に就く前、車椅子を押している方々を何度か見たことはありますが、特にコツなどがあるとは思っていませんでした。
しかし、実際に押してみると意外と注意が必要なことに気づきました。
今回は介護の仕事を始めたばかりの方に向けて車椅子の押し方のポイントや段差での移動のコツをご紹介します。
車椅子の押し方の基本的かつ重要な2つのポイント
利用者に喜んでもらえる車椅子の押し方としてまず押さえておきたい基本的かつ重要なポイントは、
- 介護サービスを提供しているあなた自身が怪我をしないよう押すこと
- 利用者に段差などで苦痛や違和感を感じさせないこと
の2点です。
あなたが特別養護老人ホームなどの施設、在宅介護のどちらで働いていても、介護サービスの利用者の車椅子を押す機会は毎日のようにあることでしょう。
そんな車椅子の押し方のポイントは上記の2点ですが、”あなた自身が怪我をしないよう押すこと”がより重要です。
あなたが怪我をすることで、あなたの感情が利用者に向けられてしまうこともあり得ますよね。利用者も、私のせいであなたに怪我をさせてしまったと感じてしまいます。
私も介護の仕事を始めたばかりの頃に、そんな精神的負担を利用者にさせてしまったことがあります。あなた自身が怪我をしないことはあなたにとっても利用者にとっても大切なことなのです。
その次に、利用者に喜んでもらえることを考えましょう。
利用者が喜ぶような具体的な車椅子の押し方のポイント
車椅子での移動は、自力で歩行できない、行きたいところがあっても行くことができない利用者にとっては、精神的にも健康的にもなくてはならない移動手段ですよね。
そんな利用者が喜ぶような具体的な車椅子の押し方のポイントは、
- 利用者がきちんと座っていることを確認すること
- あまり狭い所を選択しないこと
- 段差が大きいところはできるだけ避けること
- 止まっている時はブレーキをかけておくこと
の4点です。
これらを守っていれば不快に感じる利用者はいらっしゃいません。
特に1は必ず確認しましょう。座り方が不十分、例えば、重心がどちらか一方に傾いていたりすると、2や3以前に普通に平らな所をゆっくり押していても不快に感じてしまいます。
2や3、4もありきたりのことかもしれません。特に仕事に慣れてきた頃に、ありきたりすぎて時々やらかしてしまうことはあるかと思いますので、しっかり確認しましょう。
利用者を思いやれる感情のある方でしたら、慣れてくると特に考えることもなくうまく押せるようになります。
段差での車椅子の移動のコツ
先程の4つの具体的押し方の1つにもありますが、段差での車椅子での移動のコツは、まずは、段差が大きいところはできるだけ避けるようにしましょう。
しかし、移動する所全てが平らということはあり得ませんので、多少でこぼこするものですのであまり神経質になる必要もありません。
「具体的にどのくらいの段差から?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
このあたりは利用者によって感じ方は様々ですので、利用者とコミュニケーションを取りながらということになりますが、機会があればあなた自身が車椅子に座って試してみると利用者の感覚がわかるのでおすすめです。
段差を避けられない場合の車椅子での段差での移動の手順はこちらです。
前輪を上げます。そのまま前進し、段差を超えたらゆっくりと前輪を下ろします。後輪を段差につけ、そのまま押し上げます。
そのまま後輪を浮かすように後ろに進み、後輪でゆっくり段差を降りたら前輪を上げ、さらに後退します。その後、前輪を下ろします。
この時、一番大切なことは段差を移動する前に利用者に声をかけることです。
相手が何をしているのかわからないという状況は利用者の不安にもつながります。
段差に多少手間取って時間がかかってもそんなに慌てることはありませんが、時間がかかりそうな時もそのことを利用者に伝えましょう。
伝えておくと、利用者が不快に思うことはそうそうありません。
また、遅いことを気にかけるよりも転倒しないように注意することが大切です。
転倒してしまうと利用者やあなたの怪我につながりかねないので十分に注意しましょう。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
介護の仕事を始めたばかりの方に向けて車椅子の押し方のポイントや注意点をご紹介しました。
参考にしていただければ幸いです。