「介護施設で働いているけどクレーマー家族がいて対応に困っている」
「入居者の家族からの理不尽な苦情にどう対応していいかわからない」

今回はそんな悩みをお持ちの方に向けて、介護施設で実際にあったモンスタークレーマー家族によるクレーム事例や対処法についてまとめてみました。
実録!超絶モンスター家族のクレーム事例
一見両親思いの娘さんは実はモンスタークレーマー
ただでさえ毎日が大変な介護の現場ですが、その現場をさらにかき回す信じられないような行動をするクレーマー家族も世の中には存在します。
私が実際に介護の現場であったモンスター家族の行動や言動を紹介します。夫婦で入所した利用者さんがいらっしゃったのですが、問題はその娘さんです。
朝、昼、夜の食事時には毎日必ず面会に来る、一見すると自分の両親を大事にしている娘さんでしたが、実はとんでもないクレーマーだったのです。
クレームと言っても施設側のミスのために苦情を言われた場合は誠心誠意謝罪しますが、とにかく理不尽極まりないクレームの数々・・・
「女性職員が私を睨んだのでクビにしてください!」
あるときは、ある女性職員が娘さんを睨んだということで、施設長にその女性職員をクビにしてくれと本人がいる前で訴えてきました。
もちろん本当に睨んだのであれば問題なのですが、そのような事実は全くなく、管理者も女性介護員も誤解であることを何度も説明していました。
しかし、結局納得してもらえず「その女性職員には私の両親に触らせないでください」と女性職員を拒否してしまいました。
「他の利用者が父をいじめるので席を変えてください」


食事の時に向かいに座っている女性の利用者さんが自分の父をいじめるので席を変えてほしいという苦情を言ってきたこともあります。
ですが、その女性の利用者さんは食事の時だけリクライニングの車いすに乗ってホールでご飯を食べる寝たきりの利用者さんです。たまに笑ったりしますが、何か言葉を発するということのない利用者さんでした。
ですので、いじめられるはずもなく、全くの濡れ衣なのですが、何度説明しても納得してくれないので、女性の利用者さんを別のテーブルに移動することで納得してもらいました。
その後も同様の理不尽なクレームが続いて、最終的には娘さんのお父さんとお母さんだけが2人だけで広いテーブルを使うようになりました。
もしかすると、広いテーブルを家族で独占したかったのかもしれません。
モンスター家族が他の利用者の家族とケンカに・・・
あるときは他の利用者さんの家族にいちゃもんをつけてケンカを始めたこともありました。ケンカの理由は「私の父と母よりあなたの旦那さんの方が介護員に気に入られてて気に入らないのよ!」だとのこと・・・
実際はそのようなことはなく、むしろクレームが怖いので、みんながクレーマー家族のお父さんとお母さんに一番丁寧な対応をしているという状況でした。
言われた方も「そんなことはないですよ、みんな同じく親切にしてくれているように見えますよ」となだめてくれていたのですが、やはり聞く耳を持たず、さらにエスカレート。
介護員の静止を振り切り「あなたたちは邪魔なのよ!」と言い放つ始末。結局、言われた方が数日後別の施設に移ることになりました。
施設に泊まり込んだことも
またある時は施設の面会時間が過ぎても居座ることもありました。施設の面会時間は夜の8時までなのですが、8時を過ぎても帰る気配がなかったため、面会時間が終わったことを伝えに行くと
「父さんと母さんが寂しがって帰してくれないのよ〜困っちゃうわ」と思いっきり寝ている両親の前で言いました。
まぁ、もうすぐ帰るだろうと思い(だって寝てるしね)放置していたのですが、9時を過ぎても帰る気配がないので、もう一度面会時間が終わっていることを伝えに行くと
「何なのさっきから!そんなに私に帰ってほしいの?私が帰ってから両親に何かするつもりでしょ!そんなんじゃ安心して帰れないわ。今日は泊まらせてもらいます!」
と訴えてきました。
そんな事はないということを伝えても全く納得せず、困った私は施設長に電話するも「しかたないから泊まってもらえ」との残念な返答。
結局、翌朝6時まで施設にいました。
父の入れ歯がない事件
前日に自分で入れ歯を磨くと言って家に入れ歯を持って帰ったのに、それをすっかり忘れて「入れ歯が無いじゃない!探しなさい!」と激怒したこともあります。
前日に家に持って帰ったことを伝えても全く納得せず、ない事がわかっているのにスタッフ総出で入れ歯を探す羽目に。後日、無いはずの入れ歯がしれっと元の場所に戻っていました。
パッと思い出せる範囲でこのくらいですが、実際はもっとあります。
結局施設側はこのクレーマーに対しては退所するまでの間、全く何も対策をしてくれなかったので、私たち介護員はかなり苦しみました。
睨んだとか顔が気に入らない等の理不尽なクレームに心を痛めて辞めていったスタッフも数名いました。
他の介護施設でのクレーマー家族による理不尽な苦情事例
このような理不尽なクレーマー家族は私が勤めていた施設だけでなく、他の施設にも存在します。
他の方から聞いた信じられないようなクレームの内容は
- 部屋の日当たりが悪いから部屋を移動させろ
- 自分の親を他の利用者より優先しろ
- 利用料を滞納しているのに「払えるわけないだろ!訴えるぞ!」と逆ギレ
- 寝たきりの利用者なのに「どうしてトイレに連れて行かないの」と怒る
- ご飯を食べないのはこの施設のご飯がおいしくないからだ
- 施設内でインフルエンザ等の感染症が発生し面会謝絶なのに施設に来て面会させろと騒ぐ
- 挨拶しても無視するのに挨拶が無いと苦情を言う
- 元々暴言や暴力行為がある利用者さんなのに「お前たちのせいでこうなった」と怒る
- 自分で服を着替えさせた時に腕の皮が剥けたのに介護員のせいにして警察を呼ぶ
このような理不尽なクレームには介護員だけでは対処しきれないので、施設側が動いてくれない事にはどうにもできないと思います。
施設側が動いてくれない職場は、残念ながら体質として変わりにくいものです。
新人介護員はクレーマー家族に狙われやすい


どんな仕事をするにしても誰だって最初は新人ですし、仕事に慣れるまでの間は体力的にも精神的にも張り詰めた状況でしょう。
ですが、その期間が一番伸びる時期と言っても過言ではありませんし、新しい知識や技術を身につける度に仕事に対するやりがいも感じることができます。
が、しかし、介護の現場では新人介護員は非常にクレーマー家族に狙われやすいんです。その理由のほとんどは知識や技術がまだ未熟だからです。
「あの新人を私の親に近づけないで」「新人には夜勤をやらせないで」と言った、別にまだ新人介護員が何をしたわけでもないのに介護拒否のクレームが多く、「先輩がしっかりと一緒に介護しますから」と説明してもそのような苦情を言う家族は聞く耳を持ちません。
その結果、新人介護員は自信もなくすし、恐怖も覚えるし、最悪の場合は施設を辞めてしまい、一番知識も技術も伸びるであろう時期を理不尽にも潰されてしまう事になってしまうんです。
そこで踏みとどまれるかは、先輩介護員のフォローや施設側の対応に掛かってくることになります。
介護施設でのクレーマー家族への対処法
このような理不尽極まりないクレーマー家族にはどのような対応をしていけば良いのでしょうか。
クレーマー家族は介護員の一挙手一投足を見ています。まずはいくら理不尽な事を言われても介護員がしっかりした接遇とマナーで対応することが大切です。
身だしなみや挨拶、言葉遣いにはくれぐれも注意しましょう。それから、日々の記録はわかりやすく正確に書き記しておきましょう。
この場合は自分の身を守るために記録という動かぬ証拠が必要になりますし、しっかりと記録に残しておくことで理不尽なクレームにも対応できる可能性があります。
そして、最終手段は、管理者、施設長、社長に相談して退所してもらうことです。何をやってもダメ、全く納得してもらえない、施設の中がかき回され他の利用者さんにも迷惑がかかっているとなると、もう退所してもらうしかありません。
あまりにもひどいクレーマー家族に対しては施設側は強い態度で介護員や他の利用者を守るように動く必要があると思います。
残念ながら中には施設の評判が落ちることを恐れてクレーマー家族を野放しにしておく施設もありますが、それでは介護員も辞めていくし、他の利用者さんも居心地が悪いし、逆効果だということに気づいてほしいです。
介護の現場をかき回すクレーマー家族とその対処法のまとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は介護施設で実際にあったモンスタークレーマー家族によるクレーム事例や対処法などについてまとめてみました。
では最後におさらいもかねてここまでの要点をまとめていきたいと思います。
- ただでさえ毎日が大変な介護の現場なのに、その現場を更にかき回す信じられないような行動をするクレーマー家族も世の中には存在する
- 介護の現場では新人介護員は非常にクレーマー家族に狙われやすい
- クレーマー家族に目をつけられた結果、新人介護員は自信もなくすし、恐怖も覚えるし、最悪の場合は施設を辞めてしまい、一番知識も技術も伸びるであろう時期を理不尽にも潰されてしまう場合もある
- クレーマー家族は介護員の一挙手一投足を見ているため、いくら理不尽な事を言われても介護員がしっかりした接遇とマナーで対応することが大切(身だしなみや挨拶、言葉遣いにはくれぐれも注意が必要)
- 自分の身を守るために記録という動かぬ証拠が必要になる場合もある
- 日々の記録はわかりやすく正確に書き記しておくことで理不尽なクレームにも対応できる可能性がある
- 施設の評判が落ちることを恐れてクレーマー家族を野放しにしておく施設もあるが、それでは介護員も辞めていくし、他の利用者さんも居心地が悪いし、逆効果である
- 最終手段は、管理者、施設長、社長に相談し退所してもらうこと
- あまりにもひどいクレーマー家族に対しては施設側は強い態度で介護員や他の利用者を守るように動く必要がある
介護職員がクレーマー家族による理不尽な苦情に苦しめられることが少しでも減るよう願っています。
モンスター家族に退去してもらった実際の事例
「退所させるなんて本当にできるの?」と思う方も多いでしょう。実際に施設がモンスター家族に退所・退去を求めた事例を紹介します。
事例① 職員への暴言・録音による恫喝
ある特別養護老人ホームでは、家族が職員に対して「訴えるぞ」「お前には人権がないのか」などの暴言を繰り返し、スマートフォンで職員を無断録音して「証拠にする」と脅す行為が続きました。
施設は弁護士と連携したうえで、以下の対応を取りました。
- 施設管理者・ケアマネジャー・弁護士同席の三者面談を実施
- 「これ以上の暴言・録音行為があれば契約解除を検討する」と書面で通知
- 改善が見られなかったため、介護保険法に基づく正当事由として契約解除を通知
- 地域包括支援センターに情報提供し、次の受け入れ先探しを並行して進める
介護保険契約は一方的に打ち切れませんが、「正当な理由がある場合」は事業者側からの解約が法的に認められています(介護保険法第74条など)。暴言・暴力・著しい信頼関係の破壊は正当事由に該当します。
事例② 他の入居者・家族への嫌がらせが続いたケース
冒頭の体験談にもあったように、他の入居者の家族に「邪魔なのよ!」と怒鳴りつけ、その家族が転居を余儀なくされるケースが起きました。このケースで施設が取るべき正しい対応は次の通りです。
- 被害を受けた家族から経緯を文書で記録
- モンスター家族に対し「他の入居者・家族への接触を制限する」旨を書面で通達
- 面会時間・面会場所を施設が指定する形に変更
- それでも改善がなければ、施設長・法人上層部・弁護士が連名で退所通知
重要なのは、施設が「被害を受けた側」として記録を積み上げ、段階的に対応を強化していくことです。感情的に対応すると逆にクレームの口実にされるため、常に文書・記録が必要です。
退去を求める前に施設がやるべき5ステップ
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ①記録 | 日時・発言内容・対応者を毎回記録 | 第三者が読んで状況がわかる粒度で |
| ②報告・共有 | 施設内で情報を一元化・上司へ即報告 | 担当者ひとりで抱え込まない |
| ③面談 | 管理者同席で改善を求める面談を実施 | 書面で残す・録音可能なら録音 |
| ④書面通知 | 「改善がなければ契約解除を検討する」と通知 | 弁護士確認を推奨 |
| ⑤退所・契約解除 | 弁護士・地域包括支援センターと連携して進める | 次の受け入れ先探しも並行して実施 |
モンスター家族が生まれやすい背景と「予防策」
モンスター家族への対応は「起きてから対処する」だけでなく、そもそも発生させにくい環境を作ることも重要です。
モンスター化しやすい家族の特徴
- 施設入居に罪悪感を持っており、過剰な要求で罪滅ぼしをしようとしている
- 自分自身の介護負担のストレスが爆発している
- 介護の仕組みや施設のルールをよく理解していない
- 親が認知症で会話が成立しないことへの不安・焦りが怒りに転換されている
- 普段から要求水準が高く、サービス業全般にクレームを入れる傾向がある
入居前・入居時の予防策
- 入居時に施設のルールを書面で説明・署名をもらう(面会時間・クレーム対応方針・契約解除条件を明記)
- 担当ケアマネジャーとの定期的な情報共有で家族の不安を早期にキャッチ
- 介護サービスの内容・限界を入居時に丁寧に説明(「何でもやってもらえる」という誤解を防ぐ)
- 家族会・情報提供通信を定期的に実施し、透明性を高める
入居時のインフォームドコンセント(説明と同意)が手厚いほど、後のトラブルは減ります。「そんな説明は聞いていない」を防ぐことが最大の予防策です。
職員を守るために施設ができること
「施設が守ってくれない」という声は介護現場で後を絶ちません。しかし、職員を守れない施設は職員が辞め、サービスの質が下がり、最終的には他の入居者にも迷惑がかかるという悪循環に陥ります。
施設が取り組むべき具体的な施策
- クレーム対応マニュアルの整備:どの担当者が来ても同じ対応ができるよう手順を明文化
- 担当者を分散させない体制:クレーマー家族の対応は必ず管理者が同席し、現場職員ひとりに押しつけない
- 弁護士・社会保険労務士との顧問契約:いざというときにすぐ動ける体制を平時から整える
- ハラスメント相談窓口の設置:職員が気軽に相談でき、組織として問題を把握できる仕組みを作る
- 「施設として毅然と対応する」という方針の明文化:管理職がブレないための内部ルール
もし今の職場でこれらの取り組みが一切なく、職員が理不尽なクレームにひとりで向き合わされているなら、それは施設の体制の問題です。環境を変えることも、自分を守る立派な選択肢です。
「もう限界かも」と思ったら、まず相談だけでも
介護職専門のエージェントは、職場の人間関係・クレーム対応体制まで事前に教えてくれます。
今の職場に限界を感じているなら、次の一手を一緒に考えてもらいましょう。
▶ 無料で転職相談する(かいご畑)
よくある質問
Q. モンスター家族に退所してもらうことは法的に可能ですか?
可能です。介護保険法では、暴言・暴力・著しい信頼関係の破壊などは「正当な理由」として事業者からの契約解除が認められています。ただし事前通知・改善要求・弁護士確認などの手順が必要です。
Q. クレームを受けたとき、一人で対応してはいけませんか?
原則として一人で対応すべきではありません。必ず管理者・上司に同席してもらい、複数人で対応します。一人で対応すると「言った・言わない」の水掛け論になりやすく、職員が精神的に消耗します。
Q. 理不尽なクレームへの対応記録はどう書けばいいですか?
日時・場所・発言内容・対応者・対応内容を5W1Hで記録します。感情的な表現は避け、「〇月〇日〇時、□□様より『△△しろ』との要求があった。管理者○○が同席し、◇◇の理由から対応が困難である旨を説明した」という形で客観的に残します。
Q. 施設が守ってくれないとき、介護職員はどうすれば良いですか?
まず施設長・法人本部へエスカレーションを試みてください。それでも改善しない場合は、都道府県の介護労働相談センターや労働基準監督署への相談、または転職の検討も選択肢です。クレーマー対応を一人で抱え込み続けることは心身の健康を損なうリスクがあります。
Q. 新人介護職員がクレーマー家族に狙われたとき、どうすれば良いですか?
一人で解決しようとしないことが最重要です。すぐに先輩・管理者に状況を伝え、クレーマー家族との接触は先輩が同席できる体制を整えてもらいましょう。日々の業務記録を丁寧に残しておくことが、後の自己防衛につながります。





