「移乗介助が怖い・うまくできない」「腰が痛くなる」「利用者が重くて持ち上げられない」——この記事では、介護現場での移乗介助(ベッド↔車椅子・ベッド↔車)の基本手順・ボディメカニクスの使い方・福祉用具の活用法を解説します。
目次
移乗介助の前に準備すること
- 車椅子・ベッドのブレーキをかける(最重要)
- フットレスト(足置き)を外す・上げる
- ベッドと車椅子を近づけて角度をつける(30〜45度が基本)
- 移乗先(車椅子)の位置を利用者の動作に合わせて最適化する
ベッド→車椅子の移乗手順(一部介助の場合)
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ①声かけ | 「車椅子に移りましょう」と伝え同意を得る | 利用者の準備が整ってから始める |
| ②端座位へ | ベッドの端に座ってもらう(足が床につく高さに調整) | ベッドの高さを膝の高さに合わせる |
| ③立位の準備 | 利用者に前傾姿勢を促す(「前に体を倒して」) | 重心が前に移動することで立ちやすくなる |
| ④立位介助 | 利用者の脇・腰を支えながら立ち上がりを介助 | 介護者は膝を曲げて腰を落とした姿勢で行う |
| ⑤方向転換 | 利用者の足を軸に車椅子の方向へ向く | 体をねじらず、足を踏み出して方向転換する |
| ⑥着座 | ゆっくり座らせる(利用者の膝を曲げながら) | 「ゆっくり座ります」と声かけしながら行う |
| ⑦姿勢調整 | 深く座れているか確認。フットレストに足を乗せる | 車椅子に浅く座っていると転落・圧迫のリスク |
移乗介助でのボディメカニクス活用
| 原則 | 移乗介助での具体的な使い方 |
|---|---|
| 重心を近づける | 利用者の体を自分の体に引き寄せてから立ち上がらせる |
| 膝を曲げて腰を落とす | 中腰を避け、膝を曲げた姿勢で介助する |
| 体をねじらない | 方向転換は足を踏み出して行い、腰をねじらない |
| 大きな筋群を使う | 腰ではなく太もも・臀部の筋肉を使って立ち上がる |
移乗介助に役立つ福祉用具
| 用具 | 効果 | 対象 |
|---|---|---|
| スライディングボード | 座ったまま横滑りで移乗できる。持ち上げ不要 | 立位が困難な利用者 |
| トランスファーベルト(移乗ベルト) | 腰に巻いてグリップしやすくする。腰への負担軽減 | 一部介助が必要な利用者全般 |
| 移乗用リフト | 持ち上げ動作が完全になくなる。腰痛予防に最も効果的 | 重度介護・全介助の利用者 |
| 回転台(ターンテーブル) | 足を動かさずに方向転換できる | 下肢筋力が低下している利用者 |
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まとめ
- 移乗介助前はブレーキ・フットレスト・ベッドの高さ調整を必ず確認する
- ボディメカニクス(重心を近づける・膝を曲げる・ねじらない)を使えば腰への負担が大幅に軽減される
- スライディングボード・トランスファーベルト・リフトなどの福祉用具を積極的に活用する
- 「持ち上げる」ではなく「滑らせる・引き寄せる」という発想に転換することが腰痛予防の鍵

