「介護記録の書き方がわからない」「毎日同じような記録しか書けない」「もっと具体的でわかりやすい記録を書きたい」——この記事では、介護記録の書き方のコツ・すぐ使える文例・よくあるNG表現を解説します。
目次
介護記録の目的と重要性
介護記録は「今日の出来事のメモ」ではありません。利用者の状態変化を把握し、チームでケアの質を向上させるための専門的なコミュニケーション手段です。良い記録があれば、次のシフトの担当者が適切なケアを続けられます。
介護記録の書き方:4つの基本原則
- 事実だけを書く(主観を入れない):「機嫌が悪そうだった」ではなく「食事中に2回『嫌だ』と発言し、スプーンをテーブルに置いた」
- 5W1Hを意識する:いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのようにしたかを明確に
- 数字で書く:「少し食べた」ではなく「主食5割・副食3割摂取」、「歩けた」ではなく「歩行器使用で廊下20m歩行」
- 変化を記録する:いつもと同じなら短くてよい。「いつもと違う」ときこそ詳しく書く
場面別:介護記録の書き方文例
食事介助の記録
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| 食欲がなくあまり食べなかった | 昼食:主食3割・副食4割摂取。「お腹が痛い」と2回訴えあり。看護師に報告済み |
| 普通に食べていた | 昼食:全量摂取。むせ込みなし。「今日のご飯おいしい」と笑顔で発言あり |
排泄介助の記録
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| トイレ介助した | 14:30 トイレ誘導。排尿あり(中量)。排便なし。本日2回目の誘導 |
| 便が出た | 10:15 排便あり(普通便・中量)。前回排便から2日ぶり。腹部膨満感の訴えなし |
入浴介助の記録
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| 入浴した。問題なし | 一般浴で全介助。右肩に1cm程度の発赤あり。担当看護師に報告・経過観察となった |
| 嫌がっていたが入れた | 「今日は入りたくない」と訴えあり。15分後に再度声をかけると同意が得られ入浴実施。全量介助 |
バイタル・体調変化の記録
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| 体調が悪そうだった | 14:00 顔色不良・額に発汗あり。体温38.2℃(平常時36.5℃前後)。看護師に即報告。安静対応 |
| 普通だった | バイタル:体温36.4℃・血圧122/74・脈拍72。自覚症状の訴えなし。ADL変化なし |
よくあるNG表現と改善例
| NG表現 | 問題点 | 改善例 |
|---|---|---|
| 「いつも通り」 | 何がいつも通りかわからない | 「食事全量摂取・排泄自立・ADL変化なし」 |
| 「機嫌が悪い」 | 主観的・曖昧 | 「声かけへの返答なし。食事中2回『うるさい』と発言あり」 |
| 「少し」「ちょっと」 | 程度が不明 | 「主食2割程度」「5分間」「10cm程度」など数値化 |
| 「〜のようだった」 | 推測・主観的 | 「〜と発言した」「〜という行動があった」と事実で書く |
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まとめ
- 介護記録は「事実のみ」「数字で」「5W1H」「変化を中心に」書くのが基本
- 「機嫌が悪そう」「少し食べた」など曖昧な表現を避け、具体的な言動・数値で書く
- いつもと同じなら短くてよい。変化があったときこそ詳しく書く
- 記録スキルは事務経験のある方に特に評価される介護現場のスキルのひとつ
